私が彼女募集中の男に髪の毛を送るまで(その2)
まずは
をお読みください
例のアイテムを手に入れる
自己PRという名のラブレターの締切まで与えられた時間は3日。
どんな内容にするかずっと考え込んでいた。
週末の予定を確認したとき、思いついてしまった。
週末たまたま予約を入れていた 美容院にて、不審者になりながらも髪の毛を手に入れた。
用紙は式典などで使用する式辞用紙を選択。
届いたメールに「書式は問いません。印刷でも手書きでも、どのような形式でも構いません」と書かれていたので、普通の形式にできるはずもなかった。
式辞用紙に文書を書き終え、「命がけでお送りします」と文を添え、仕上げに❝女の命❞とも呼ばれるブツを貼り付ける。
そうして、迎えた締切日当日。
「近くにいたから」と軽いノリで直接投函した。
選考を通過した人のみ連絡がくることになっている。
あとは待つのみだ!!
――数日後
友人「その後、反応あった?」
私「それがないんですよー。ダメだったんでしょうねー」
友人「さすがに髪の毛はやりすぎだったんじゃないかな…」
私「そうかもしれません…。残念ですが、久しぶりになんかにチャレンジしてよかったですよ」
梅雨時期にそんな思い出を作った。
クズならクズとわかりやすく
季節は変わり、秋となった10月中旬。
約6年付き合っている恋人との関係にヒビが入り始めた。
しかし、あるときから無断欠勤をしていたことが発覚。
会ってもケンカになってしまうため、「何か進んだら会おう」と約束して、しばらくは連絡のみにした。
それなのに
といった具合で、彼のクズっぷりにお手上げだった。
悲しさと怒りで感情的になりそうなのをぐっと押さえ、本人にぶつけてはいけないとこんな愚痴ツイートをした。
状況が進展しないまま、1カ月の月日が過ぎていた。
実は数年前も同じようなことが起こり、関係が悪化したことがあった。
でも次同じことがあっても、彼は反省を生かして乗り越えてくれる。
いや、当時幼かった私も行動を改めれば、二人三脚で乗り越えていける。
そう信じていたけれど、誤算だった。
彼のことを思って行動しても、なにも状況は好転せず、自分の無力さと無価値さが、日に日に積もっていった。
この人と生きていく限り、こういう思いをすることになるのだ。
決めた。
今年中に別れよう。
そう決心した直後、事態は急展開を迎えるのである。